1838〜1907年 イギリスの化学者 ウィリアム・ヘンリー・パーキン。色彩文化では、1856年、世界で初となる合成染料「モーブ色」(紫色)を発見した人物である。発見した当時は18才の化学生で、アニリンからマラリアの特効薬であるキニーネをつくり出す途中に、偶然に「紫」の合成染料を発見した人物である。現在では単に紫色の「絵の具」を発見した程度にすぎませんが、当時の合成染料「紫色」は大発見であったと思います。まず、紫色に染色する為の紫の顔料や染料がとても高価であった為、皇帝や貴族のみが許されるような色でした。ちなみに西洋では貝紫から採り、1gの紫を採るのに12000匹の貝紫が必要であったとのこと。東洋では植物の根を紫の染料にしていたとのこと。それと、時代と宗教では「混色」はタブーとされていたこともあります。神様が創って下さった世界を人間が新しいものを生み出すことはタブーなことであるとの考えがあったので、単に赤と青を混ぜて紫色の出来上がりとはいかなかったようです。しかもパーキンが発見した「モーブ色」は彩度が高彩度ではないものの、きれいな紫色であったのが大発見であると思う。赤と青を混ぜたところで減法混色であるので、暗い紫になってしまうことと、製品を大量生産するときに混色では安定した紫をつくり続けるのは困難でした。モーブとはフランス語で「葵(あおい)」を意味するモーヴェインが名前の由来です、このパーキンがモーブを発見した1856年は紫色の歴史で考えると紀元前・紀元後といって良いと思います。そして以上のことは色彩検定によく出題されることですので、覚えておいてほしいです。